朝倉未来 伊澤星花 格闘キャスト 出典:YouTubeチャンネル

伊澤星花に誹謗中傷で朝倉未来がブチギレたYouTuberは誰?格闘キャスト(Familytime)のシンとは何者?学歴と経歴は?国籍どこで何人なのか

2025年10月30日、日本の格闘技界に大きな衝撃が走りました。総合格闘家であり、実業家、そして自身が設立したジム「JAPAN TOP TEAM(JTT)」の代表も務める朝倉未来選手が、自身のYouTubeチャンネル「ガチの朝倉未来」を更新。「絶対に許せないことが起きました」という強いタイトルで、前代未聞の怒りを表明したのです。

その怒りの矛先は、ある格闘技系YouTuberに向けられていました。彼らが、JTTに所属する現RIZIN女子スーパーアトム級王者・伊澤星花選手に対して、極めて悪質な誹謗中傷を行い、伊澤選手本人が深く傷つき涙を流していたというのです。

朝倉選手は「さすがに堪忍袋の緒が切れた」「侮辱罪だ」として、法的措置も辞さない構えを明確にしました。この告発は瞬く間に拡散され、格闘技ファンのみならず、多くのネットユーザーの間で大きな波紋を呼んでいます。

この記事ではこの騒動の核心を徹底的に深掘りします。一体、伊澤星花選手に何が言われたのか。朝倉選手をここまで怒らせたYouTuber「格闘キャスト(Familytime)」のシン氏とは何者なのか。そして、この問題の背景にあるメディア倫理と法的責任について、詳細に分析・考察していきます。

  • 事件の発端: 朝倉未来選手がなぜ激怒したのか、伊澤星花選手が受けた具体的な中傷内容とは。
  • 人物特定: 問題のYouTuber「格闘キャスト」のシン氏とは何者か。その経歴、国籍、人物像に迫ります。
  • チャンネル分析: 彼らはどのような動画を配信していたのか。有名選手とのコラボや炎上商法の実態を調査します。
  • 法的考察: 炎上後の謝罪動画と、厳罰化された「侮辱罪」適用の可能性を解説します。
目次 Outline

1. 伊澤星花選手への誹謗中傷問題、朝倉未来選手が激怒した発端と理由

今回の騒動は、一本の動画から始まりました。それは、普段のポーカーフェイスを崩さない朝倉未来選手が、これまでにないほどの強い口調で怒りを露わにする、異例の内容でした。

1-1. 2025年10月30日、朝倉未来が「絶対に許せない」と怒りを表明

2025年10月30日、朝倉未来選手は自身のサブチャンネル「ガチの朝倉未来」にて、「絶対に許せないことが起きました」というタイトルの動画を公開しました。動画の冒頭、朝倉選手は重い口調で事の経緯を語り始めます。

その日、朝倉選手がJTTのジムに練習に訪れると、そこにはあるまじき光景が広がっていました。女子格闘技界の絶対王者であり、DEEP JEWELS2階級制覇、RIZIN女子スーパーアトム級王者という輝かしい実績を持つ伊澤星花選手が、人知れず涙を流していたのです。

伊澤選手は11月3日に「RIZIN LANDMARK 12 in KOBE」での大島沙緒里選手とのタイトルマッチを控えています。試合を直前に控えたトップアスリートが、練習中に泣いているという異常事態。朝倉選手が「どうしたの?」と尋ねても、伊澤選手は当初「何でもないです」と頑なに口を閉ざしていたといいます。

しかし、朝倉選手がさらに事情を聞くと、その原因が特定の格闘技系YouTubeチャンネルによる悪質な誹謗中傷であることが判明しました。この事実に、朝倉選手はJTTの代表として、そして一人の格闘家として、我慢の限界を超えた怒りを感じたのです。

1-2. 伊澤星花選手が涙… 具体的に何を言われたのか?

朝倉選手が動画内で明かした、伊澤選手を深く傷つけた中傷の内容は、単なる試合内容への批評や批判ではありませんでした。それは、一人の女性としての人格と尊厳を踏みにじる、極めて悪質な言葉の暴力でした。

報道によれば、問題のYouTuberは伊澤星花選手について、以下のような趣旨の発言をしていたとされています。

見た目もブサイク、性格もブサイク

格闘家である前に一人の人間であり、女性である伊澤選手に対して、その容姿と内面の両方を「ブサイク」と断定する発言。これがX(旧Twitter)などで拡散され、本人の目にも直接触れる形となってしまいました。伊澤選手は涙ながらに「ツイッターを見てたら、2日前ぐらいにメンションされて。通知がすごくて見たら言われてて……」と、その時の状況を語っています。

この発言は、格闘家としてのパフォーマンスとは全く関係のない、完全な「侮辱」です。特に伊澤選手は、過去に「RIZIN CONFESSIONS」などで見せた言動から、一部で「ヒール(悪役)キャラ」と見られることもありました。しかし、それはあくまでリング上や試合に向けた駆け引きの一環であり、彼女の人格そのものを否定してよい理由にはなりません。

さらに皮肉なことに、朝倉選手によれば、伊澤選手は「元々伊澤さんはそのチャンネルが好きで見ていたそうなんですけど、急にディスられてしまって」と、信頼していたメディアから裏切られた形になったことも、彼女のショックを増大させたと見られます。試合前の最もデリケートな時期に受けたこの精神的ダメージは、計り知れません。

1-3. なぜ朝倉未来はブチギレたのか?「堪忍袋の緒が切れた」背景

朝倉未来選手が今回、法的措置まで示唆するほど激怒したのには、複数の理由が積み重なっています。彼は単なる「アンチコメント」に反応したのではありません。

背景①:JTT代表としての責任と仲間への想い

伊澤星花選手は2023年10月からJTTに所属しており、朝倉選手にとってはジムの看板を背負う大切な仲間です。「絶対王者といえど、か弱い女性ですよ」という言葉からは、彼女を一人のアスリートとして、また一人の女性として守ろうとする強い意志が感じられます。

自身のジムの選手が、しかも試合直前の重要な時期に、外部からの理不尽な攻撃によってメンタルを破壊され、涙を流している。この状況を代表として見過ごすことはできなかったのでしょう。

背景②:以前から続いていた「名前を使った再生数稼ぎ」への嫌悪感

朝倉選手は、このYouTuber(格闘キャスト)に対して以前から強い不快感を抱いていました。「俺も見たことあるんですよ、俺の名前をふんだんに使って、コイツらうぜぇなと。そいつらが伊澤さんのことを…」と語っており、以前から朝倉未来というビッグネームを利用し、時には批判的な内容で注目を集めて再生数を稼ぐ手法を繰り返していたと指摘しています。

格闘技界のゴシップや批判的な話題で再生数を稼ぐ、いわゆる「炎上商法」とも取れるスタイルが、格闘技界全体のイメージを損ねていると感じていた可能性が高いです。コメントにも「井上尚弥と朝倉未来(関連)の名前出さないとちっとも再生数とれないからな」というものがあり、多くのファンが同様の印象を抱いていたことがうかがえます。

背景③:過去の直接的な因縁

さらに、朝倉選手とこのYouTuberの間には、直接的な因縁もありました。朝倉選手がスポンサーを受けているプロテイン「VITAS(バイタス)」を介して、過去に当該チャンネルからコラボレーションの打診があったというのです。

しかし、朝倉選手はそのチャンネルの姿勢をかねてから問題視しており、「するわけないし、俺の名前を2度と出すなとお伝えください」と、この申し出を明確に拒否していました。このように一度は警告していたにもかかわらず、今回は所属選手への人格攻撃という一線を越えた行動に出たこと。これが、朝倉選手の「堪忍袋の緒が切れた」決定的な引き金となったのです。

朝倉選手は動画の最後で、改めて「俺の名前を2度と使わないでください」「今後JTTの選手の話題も出さないでください」と強い口調で警告。これは単なる抗議ではなく、格闘技界のトップランナーからの事実上の「絶縁宣言」であり、極めて重い意味を持ちます。

2. 誹謗中傷の犯人とされるYouTuber「格闘キャスト」のシン氏とは何者か?

朝倉未来 伊澤星花 格闘キャスト 謝罪 出典:YouTubeチャンネル
朝倉未来 伊澤星花 格闘キャスト 謝罪 出典:YouTubeチャンネル

朝倉未来選手が「絶対に許せない」と名指しで激怒した相手。それが、格闘技解説系YouTubeチャンネル「格闘キャスト/Familytime」の運営者である「シン」氏です。

専門的な解説と辛口な批評で、一部の格闘技ファンからは支持を集めていた一方で、その過激な言動がしばしば物議を醸していた人物でもあります。ここでは、謎に包まれた彼のプロフィールと実態に迫ります。

2-1. 格闘キャスト(Familytime)とはどのようなYouTubeチャンネルか

「格闘キャスト」は、シン氏とその弟であるナオト氏の兄弟によって運営されている格闘技専門チャンネルです。主な動画内容は、国内外の格闘技(MMA、キックボクシング、ボクシング)の試合予想、選手の技術解説、そして格闘技界の最新ニュースやゴシップに関するトークです。

彼らのチャンネルの最大の特徴は、他のメディアが触れたがらないような選手の弱点や、運営側の問題を指摘する「忖度ない辛口批評」でした。このスタイルが、一部の熱心な格闘技ファンにとっては「本音で語ってくれる」と魅力的に映り、数十万人のチャンネル登録者を抱えるまでに成長しました。

しかし、その「辛口」は時として一線を越え、特定の選手への過度な批判や、今回のような「侮辱」と受け取られかねない発言につながっていました。コメントにも「前からこの方は他の格闘家の事もかなり悪く言ってますが」とあるように、今回の伊澤選手への発言は氷山の一角であった可能性が指摘されています。

2-2. メイン運営者「シン」氏のプロフィール:本名、学歴、経歴

チャンネルの「顔」としてトークを展開するシン氏ですが、その公表されているプロフィールは多くありません。様々な情報を総合すると、彼の人物像は以下のようになります。

  • 通称: シン
  • 本名: 宮澤 信治(みやざわ しんじ)とされていますが、これは公式に発表されたものではなく、あくまでネット上で流布している情報であり、確証はありません。
  • 年齢: 1992年生まれとされており、2025年現在で33歳前後と見られます。
  • 経歴: 元プロキックボクサーとしての経歴を持っています。これは彼らのチャンネルの「専門性」を担保する重要な要素です。

元プロキックボクサー「JOKER」としての顔

シン氏は、「JOKER(ジョーカー)」というリングネームでプロのキックボクサーとして活動していたとされています。所属は「花澤ジム」で、キックボクシング団体「INNOVATION(イノベーション)」のライト級でランキング入り(最高9位)していたという情報もあります。

プロとして大成したとは言えないまでも、実際にプロのリングに上がり、厳しい練習を積んできた「経験者」であることは間違いありません。この「元プロ」という肩書きが、彼の発言に説得力を持たせ、多くの現役選手との人脈構築にも繋がっていました。しかし、同時に「元プロであるにも関わらず、なぜ現役選手へのリスペクトを欠いた発言ができるのか」という批判の根拠にもなっています。

学歴(出身大学・高校)

シン氏の出身大学や高校といった具体的な学歴に関する公的な情報は、一切見つかりませんでした。彼の流暢な英語力(後述)から、インターナショナルスクールや海外の大学に通っていたのではないかという憶測が多数存在しますが、いずれも本人が公表した事実はなく、不明です。

2-3. シン氏の国籍はどこ?英語が堪能な理由

シン氏の動画を見た多くの視聴者が疑問に思うのが、彼の国籍と流暢な英語力です。動画内での日本語には独特のアクセントがあり、時折、ネイティブスピーカーのような英語を織り交ぜて話します。

この点から、「ハーフではないか?」「アメリカ国籍なのでは?」といった憶測が飛び交いました。コメントにも「まず日本人じゃないから我々と同じ感性だと思わない方がいいかも」というものがあり、多くの人が彼を日本人ではないと捉えていたフシがあります。

しかし、調査によれば、シン氏の国籍は日本である可能性が最も高いです。彼の独特の言語感覚は、幼少期や学生時代をアメリカで過ごした「帰国子女」であることに起因すると見られています。このバイリンガルな背景こそが、海外の格闘技メディアの情報をいち早くキャッチし、専門的な解説(特にUFCなど)を行える彼の最大の武器でした。

だが、その国際感覚が、今回の伊澤選手への容姿に関する発言(海外ではよりタブー視される傾向が強い)と結びつかなかった点は、大きな矛盾として批判されています。

2-4. シン氏の結婚や子供など家族構成は?

シン氏の私生活、特に結婚しているのか、子供はいるのかといった家族構成に関する情報は、一切公表されていません。彼のSNSや動画内でも家族(弟のナオト氏を除く)について語られることはなく、プライベートは徹底して謎に包まれています。

2-5. 共同運営者・弟の「ナオト」氏とは?

「格闘キャスト」および「Familytime」は、シン氏と彼の弟によって運営されています。この弟が「ナオト」氏です。

今回の謝罪動画にも「チャンネルの共同運営者」として同席したナオト氏(本名:宮澤 直徒(みやざわ なおと)氏とされています)は、主に動画の撮影や編集、チャンネルの裏方業務を担当しているとされます。彼もまた兄と同様に帰国子女であると見られています。

謝罪動画では、ナオト氏も「2人でやってるっていう認識」「僕の責任もあるかな」と述べ、共同運営者としての責任を認め謝罪しています。しかし、その態度は兄のシン氏同様、「麻痺していた」「自由すぎた」といった弁明が中心であり、視聴者からは厳しい批判が寄せられています。

3. 格闘キャスト(Familytime)が築いた有名格闘家との関係性

今回の誹謗中傷騒動が格闘技界に大きな衝撃を与えた理由の一つに、「格闘キャスト」が単なる匿名のアンチチャンネルではなく、多くの現役トップファイターとも接点を持つ、影響力の大きなメディアであったことが挙げられます。その人脈は、どのようにして築かれたのでしょうか。

3-1. コラボレーションの実態とチャンネルが持っていた影響力

「格闘キャスト」は、その専門的な解説と辛口な視点で、格闘技ファンの間で確固たる地位を築いていました。その影響力はファン層にとどまらず、現役選手側にも認知されていました。チャンネルが成長するにつれ、シン氏は多くの著名な格闘家をゲストとして招き、対談動画を公開してきました。

これらのコラボレーションは、チャンネルに「選手の生の声が聞ける場所」という権威性を与えると共に、シン氏自身の人脈をさらに拡大させる好循環を生み出していたと考えられます。選手側にとっても、数十万人の登録者を持つ専門チャンネルで自身の考えや試合の裏側を語ることは、ファン層拡大の機会となっていた可能性があります。

しかし、その影響力の行使方法には、以前から疑問の声も上がっていました。寄せられた意見の中には、「朝倉未来選手アンチとかうたってるけど、朝倉未来選手の名前を使って再生数を稼いでる」「井上尚弥と朝倉未来(関連)の名前出さないとちっとも再生数とれない」といったものがあり、ビッグネームの選手を(時には批判的に)取り上げることで、その影響力を維持・拡大してきた側面も指摘されています。

3-2. 平本蓮選手との関係性

シン氏がコラボレーションした選手の中でも、特に注目を集めたのが平本蓮選手です。平本選手は、その言動でたびたび朝倉未来選手との対立構造を生み出してきたファイターです。

寄せられたコメントには、「ゲストに鶴屋怜や平本蓮を呼んで朝倉未来選手、朝倉海選手ネタばかりでYouTube撮ってる嫌な奴」という記述があり、「格闘キャスト」が平本選手をゲストに招き、朝倉兄弟に関するトークを展開していたことがうかがえます。

シン氏のチャンネルが持つ「アンチ朝倉未来」的な側面と、平本選手のキャラクターが合致したことで、両者のコラボは格闘技ファンの間で大きな話題を呼びました。この関係性が、シン氏の「人脈の広さ」を象徴するものの一つとなっていたことは想像に難くありません。

3-3. 鶴屋玲選手、若松佑弥選手ら他の選手との関わり

平本選手以外にも、「ゲストに鶴屋怜を呼んで」というコメントが確認されています。鶴屋玲選手は、UFCでの活躍が期待される日本格闘技界の超新星です。このようなトッププロスペクトとも接点を持ち、対談を実現させていた事実は、シン氏のチャンネルが業界内で一定の信頼を得ていた(あるいは、無視できない影響力を持っていた)証左と言えるでしょう。

ただし、これらのコラボレーションが友好的なものだったのか、あるいは選手側がメディア露出の一環として割り切って出演していたのかは、今回の情報だけでは判断がつきません。しかし、若手トップ選手までがゲスト出演していたという事実は、シン氏のチャンネルの「格闘技専門メディア」としての立ち位置を強固なものにしていました。

一方で、五味隆典選手や若松佑弥選手との具体的なコラボレーションについては、今回の調査で確認できた情報の中では言及されていませんでした。

4. シン氏はTEPPEN GYM 大阪のコーチ?那須川天心の父との関係は

シン氏の経歴をめぐっては、様々な憶測が飛び交っています。その中でも特に注目を集めたのが、「那須川天心選手の父・那須川弘幸氏が会長を務める『TEPPEN GYM 大阪』のコーチを務めているのではないか」という噂でした。

4-1. 噂の出所と信憑性についての検証

この噂が事実であれば、シン氏はキックボクシング界の中枢とも深いつながりを持つ人物ということになります。しかし、今回の騒動に関連して調査した複数の資料や、朝倉未来選手およびシン氏自身の発言、あるいは公表されているプロフィール情報の中には、この噂を裏付ける記述は一切見当たりませんでした

TEPPEN GYMの公式サイトやSNSなどで公表されているトレーナー陣にも、シン氏(あるいはその本名とされる名前)は確認されていません。

この噂が生まれたのは格闘キャストに那須川天心さんの父である那須川弘幸会長が出演した際に、大阪にジムを作っているからそこのトレーナーになってくれないかとシン氏に頼んだシーンがあったからです。那須川弘幸会長はシン氏の格闘技論を称賛しており、言語化能力が高いことをかってトレーナーに誘ったようです。

しかしその後の進展などは不明となっています。

4-2. 格闘技界の「人脈」に関する考察

格闘技界は、選手、トレーナー、プロモーター、メディアが複雑に関係しあうコミュニティです。シン氏が元プロ選手であったことは事実のようですが、それが直接的にTEPPEN GYMのようなトップジムのコーチ職に繋がるという証拠はどこにもありません。

むしろ、彼が築いてきた人脈は、ジムを通じた伝統的なものではなく、YouTubeという新しいプラットフォーム上で、「解説者」「インフルエンサー」として影響力を持つことによって得られたものだと分析するのが妥当でしょう。だからこそ、その影響力の源泉である「発言」が問題視された今、彼が築き上げてきた地位は非常に危ういものとなっています。

5. なぜ格闘キャストのシンは人脈が広かったのか?その理由を分析

一介のYouTuberが、なぜ平本蓮選手や鶴屋玲選手のような現役トップファイターとコラボできるほどの人脈を築くことができたのでしょうか。その背景には、シン氏が持つ複数の「武器」があったと考えられます。

5-1. 理由①:元プロキックボクサー「JOKER」としての経歴

前述の通り、シン氏は「JOKER」というリングネームで活動していた元プロキックボクサーであるとされています。この「元プロ」という肩書きは、格闘技を語る上で非常に大きな意味を持ちます。

単なるファンや記者とは異なり、実際に厳しいトレーニングを積み、リングに上がった経験を持つシン氏の言葉には、一定の説得力が伴います。現役選手側から見ても、「同じ釜の飯を食った」経験者として、技術論や試合の駆け引きについて深く語り合える相手と認識されていた可能性があります。この共通言語が、人脈構築の第一歩となったことは想像に難くありません。

5-2. 理由②:英語力を活かしたバイリンガル解説という独自性

シン氏のもう一つの大きな武器は、その流暢な英語力です。帰国子女であるとされる彼は、海外の格闘技ニュースや選手のインタビューを直接ソースとして引用し、解説に深みを持たせていました。

UFCや海外のキックボXXング団体が主流となりつつある現代の格闘技界において、この国際感覚は大きな強みです。特に、平本蓮選手や鶴屋玲選手のように、将来的な海外進出を視野に入れている選手にとって、シン氏は国内の他のメディアとは異なる視点を持つ、貴重な情報交換の相手であった可能性があります。

5-3. 理由③:YouTubeプラットフォームでの圧倒的な影響力

結局のところ、最大の理由はこれに尽きるかもしれません。シン氏のチャンネルは、数十万人の登録者を抱える、格闘技カテゴリにおける「一大メディア」でした。

選手にとって、メディア露出は自身の価値を高める上で不可欠です。シン氏のチャンネルで取り上げられること、あるいはコラボすることは、自身の知名度を上げ、ファン層を拡大する絶好の機会でした。たとえそのチャンネルが特定の選手(例えば朝倉未来選手)に対して批判的であったとしても、その影響力は無視できなかったのでしょう。

寄せられたコメントにある「朝倉未来選手、朝倉海選手ネタばかりでYouTube撮ってる」という指摘は、裏を返せば、それだけの影響力と注目度をチャンネルが持っていたことの証明でもあります。この影響力こそが、彼の人脈の基盤となっていたのです。

6. 格闘キャスト(Familytime)の謝罪動画が「謝罪風」と炎上した背景

朝倉未来選手による告発動画が公開され、事態が急速に拡大した同日(2025年10月30日)、格闘キャスト側も「炎上している件について」と題した動画を公開しました。しかし、この動画は鎮火どころか、火に油を注ぐ結果となり、「謝罪風の言い訳だ」としてさらなる批判を浴びることになります。

この動画で露呈したのは、加害者側と被害者側、そしてそれを見守るファンとの間に横たわる、深刻な認識のズレでした。

6-1. シン氏が語った「発言の真意」とは?

謝罪動画の中で、シン氏は伊澤星花選手に対して「性格も見た目もブスということを言ってしまって」と、問題の発言自体は事実であると認めました。しかし、彼は続けてその発言の「真意」は別のところにあったと弁明を始めます。

シン氏の主張は以下の通りです。

  • 「ヒールキャラ」への言及だった: 彼の発言は、RIZINが公式に制作・配信しているドキュメンタリー番組「RIZIN CONFESSIONS」で見た伊澤選手の言動に基づいていたと主張。番組内での伊澤選手の振る舞いを、シン氏は「ヒール(悪役)キャラを演じている」と個人的に解釈したといいます。
  • 発言の文脈: 当該の発言は、伊澤選手の対戦相手である大島沙緒里選手を応援するという文脈でのものだったと説明。「(ヒールキャラを演じている伊澤選手は)あんま応援できないような人だね」という自身のスタンスを明確にするための発言だったとしました。
  • 不適切なワード選択: そして、「ブス」という直接的な侮辱の言葉は、その主張を伝えるための「エントリーとして」「インパクトのある方法」「冗談的なあれ」として用いたものであり、そのワードチョイス自体が「良くなかった言葉」であったと反省の弁を述べました。

要するに、「伊澤選手個人を本気で侮辱したかったわけではなく、あくまで番組で見た『ヒールキャラ』に対する批評を、冗談とインパクト重視で表現したら行き過ぎてしまった」というのが、シン氏側の釈明の骨子でした。

6-2. なぜ「謝罪風」と批判が殺到したのか?致命的だった3つの火種

この釈明に対し、視聴者からの共感は一切得られませんでした。コメント欄を見ても、その反応は「謝罪になっていない」という怒りで満ちています。なぜ、この動画は「謝罪風の言い訳」と断じられ、さらなる炎上を招いたのでしょうか。

火種①:責任転嫁とも取れる「切り取り」への不満

シン氏は動画の中で、自身が炎上した要因の一つとして、発言が「切り取り」によって拡散されたことを挙げています。「10分の会話の中の10秒」だけを抜き取られたとし、「切り取りがね、本当にあれは悪質だよね」と、文脈を無視して情報を拡散した第三者に対しても不満を漏らしています。

これに対し、視聴者からは「切り取りが悪質? お前らが1番悪質やねん」と厳しいツッコミが入りました。そもそも問題の発端は「ブス」という侮辱的な言葉を発したシン氏自身にあります。被害を訴えるかのような態度は、反省の色が見えない自己保身と映りました。

火種②:当事者意識の欠如した「仮定形」の謝罪

最も批判が集中したのが、その謝罪の言葉選びです。シン氏は伊澤選手本人に対し、「本人がこれを見て本当に嫌な気持ちを持ったらそれはめちゃくちゃ悪いと思うんで、それは本当に心から謝りたい」と述べました。

この「もし嫌な気持ちになったら」という仮定形の謝罪は、視聴者の怒りを逆なでしました。「『嫌な気持ちになったら申し訳ない』って、性格悪い、ブス言われて嫌な気持ちになる事が分からんの?もうダメだ」というコメントに象徴されるように、「女性の容姿と性格を公の場で『ブス』と断言されて、傷つかない人間がいるはずがない」というのが一般の感覚です。被害者の感情を想像できず、自らの発言の重大さを理解していない、当事者意識の欠如が浮き彫りになりました。

火種③:プライドが透ける「言い訳」と「焦り」

結局のところ、動画全体が「発言は不適切だったが、真意は違った」「自分も切り取りの被害者だ」という自己弁護に終始しました。コメントには「プライド高すぎてちゃんとした謝罪できないんだろうな」「『謝りたいですね』は謝罪じゃないんよ」「未来に訴えるって言われて焦っただけか」といった手厳しい指摘が並びました。

朝倉未来選手という格闘技界のトップからの「法的措置」という強硬な通告に慌てて動画を出したものの、自身のプライドが邪魔をして素直な謝罪ができず、言い訳ばかりになった――。視聴者の目には、そのように映ってしまったのです。

7. 訴訟の可能性は?「侮辱罪」厳罰化と賠償金額の相場

朝倉未来選手は動画の中で、単に「訴える」と感情的に述べただけでなく、「侮辱罪ですよね、完全な」と、具体的な罪名を挙げて法的措置を検討していることを明言しました。もしこれが実行に移された場合、どのような法的責任が問われることになるのでしょうか。

7-1. 刑事罰:2022年に厳罰化された「侮辱罪」適用の可能性

朝倉選手が言及した「侮辱罪(刑法231条)」は、近年(2022年7月7日)に厳罰化されたばかりの犯罪であり、今回の事件は、その改正法が著名なインフルエンサー間のトラブルに適用されるかどうかの試金石となる可能性があります。

侮辱罪とは、具体的な事実を挙げずに(例:「バカ」「ブス」など)、公然と他人を侮辱する行為を罰するものです。「性格も見た目もブサイク」という発言は、具体的な事実の摘示とは言い難い「評価」であるため、名誉毀損罪ではなく侮辱罪に該当すると考えられます。

重要なのは、その法定刑が大幅に引き上げられた点です。

改正前(~2022年7月)改正後(現在)
法定刑拘留(30日未満)または 科料(1万円未満)1年以下の懲役もしくは禁錮 または 30万円以下の罰金 または 拘留もしくは科料
公訴時効1年3年

かつては非常に軽い罪でしたが、ネット上の誹謗中傷が深刻な社会問題となったことを受け、懲役刑が導入されるなど格段に重くなりました。今回のケースが刑事事件として立件され有罪となれば、懲役刑や数十万円の罰金刑が科される可能性が現実的に存在します。

7-2. 民事責任:慰謝料(損害賠償)の相場は?

刑事罰とは別に、被害者である伊澤星花選手がシン氏個人に対し、精神的苦痛を受けたとして民事訴訟(損害賠償請求)を起こすことも可能です。この場合、「名誉感情の侵害(侮辱)」または「名誉毀損」が問われます。

  • 名誉毀損(民法709条): 「ブサイク」という発言が伊澤選手の「社会的評価」を低下させたと認められた場合。慰謝料の相場は、被害者が個人の場合、10万円~50万円程度とされることが多いです。
  • 侮辱(名誉感情の侵害): 社会的評価の低下までは認められなくとも、侮辱的な発言によって本人が受けた精神的苦痛(名誉感情)が侵害されたと認められた場合。慰謝料の相場は名誉毀損より低くなる傾向があり、数万円~10万円程度が一般的とされています。

ただし、これらの相場はあくまで一般論です。今回のケースでは、

  1. 被害者が「RIZIN王者」という高い社会的地位を持つ著名人であること。
  2. 加害者が「数十万人の登録者」を持つ影響力の大きなYouTuberであり、発信の影響が甚大であること。
  3. 伊澤選手が「タイトルマッチ直前」というアスリートとして最も重要な時期であったこと。

といった特殊な事情(悪質性)が考慮され、裁判所の判断によっては、一般的な相場を大きく上回る賠償額が命じられる可能性も十分に考えられます。

8. 格闘キャストの炎上に対するネット上の反応

今回の朝倉未来選手の告発と、それに続く格闘キャストの「謝罪風」動画。これら一連の騒動に対し、ネット上、特に格闘技ファンのコミュニティからは、格闘キャスト側への極めて厳しい批判が殺到しています。

コメント欄の意見を分析すると、その反応はいくつかのパターンに分類できます。

8-1. 謝罪動画への強烈な非難

最も多かったのは、謝罪動画の「中身のなさ」と「不誠実さ」に対する怒りです。

  • 「謝罪じゃなく、言い訳の動画ですね。」
  • 「プライド高すぎてちゃんとした謝罪できないんだろうな。」
  • 「『謝りたいですね』は謝罪じゃないんよ」
  • 「未来に訴えるって言われて焦っただけか。」
  • 「ごちゃごちゃ言ってないで早く謝りなよ。」

言葉の端々に表れる自己保身や、素直に非を認めない態度が、視聴者の不信感を決定的なものにしました。

8-2. 発言内容そのものへの嫌悪感

シン氏の発言が、人として、また格闘技を扱うメディアとして許されるものではないという、根本的な批判も相次ぎました。

  • 「選手が一生懸命試合して、それをネタに飯食ってるのに選手に対してのリスペクト本当にないよな」
  • 「『嫌な気持ちになったら申し訳ない』って、性格悪い、ブス言われて嫌な気持ちになる事が分からんの?」
  • 「男として終わってる。まじで情けない」
  • 「なんで性格悪いとか言えるんだろ、絡みないっていってたし。」

特に、伊澤選手が元々そのチャンネルのファンであったという事実が、この裏切り行為の残酷さを際立たせています。「伊澤選手が元々このチャンネル好きで見てたようなので、今回の動画の最初の入り方は本当地獄」というコメントは、多くのファンの心情を代弁しています。

8-3. これまでの運営スタイルへの積年の不満

今回の騒動を「起こるべくして起きた」と捉えるファンも少なくありませんでした。彼らのチャンネルが以前から持っていた問題点が、一気に噴出した形です。

  • 「朝倉未来が好きとか嫌いとかそういうのないけど あそこのチャンネルマジで酷いからな」
  • 「井上尚弥と朝倉未来(関連)の名前出さないとちっとも再生数とれないからな」
  • 「前からこの方は他の格闘家の事もかなり悪く言ってますが…観た事ある方は分かると思います…」
  • 「普段から批判してくる人をアサシン呼ばわりしてちゃんと向き合ってこなかったツケが出ましたね。」

人気選手を批判的に扱うことで再生数を稼ぐ運営スタイルや、批判的な視聴者を「アサシン(暗殺者)」と呼んで向き合わなかった姿勢が、今回の騒動で一斉に白日の下に晒されることになりました。

8-4. 一部に見られた擁護と、それに対する再反論

ごく一部ですが、格闘技の「煽り合い」の文脈で捉えようとする意見もありました。

  • 「特に伊澤星花はRENAに対して色々と言い過ぎていたけど、それを相手のファンがどういう気持ちで見ていたのか?とかも考えるべきだ。」

しかし、こうした意見に対しても、「格闘家だから煽るのは許容範囲内だと言うかもだが、やってる事はそう変わらないと思う」としつつも、今回の件は選手同士のトラッシュトークではなく、メディアによる一方的な容姿中傷であるという点で、明確に一線を越えているという認識が大多数です。選手同士の試合に向けた「煽り」と、第三者であるメディアによる「人格・容姿の侮辱」は、全くの別問題であると言えるでしょう。

9. まとめ:事件の核心と今後の展望

今回の伊澤星花選手への誹謗中傷事件は、単なるYouTuberの失言では片付けられない、現代のメディアと格闘技界が抱える根深い問題を浮き彫りにしました。影響力を持つインフルエンサーが、その影響力をどのように行使するのか、その倫理観が厳しく問われています。

最後に、今回の騒動の核心と、今後の展望について要点をまとめます。

  • 事件の核心: YouTuber「格闘キャスト」のシン氏が、RIZIN王者・伊澤星花選手に対し「見た目も性格もブサイク」という、選手の尊厳を踏みにじる誹謗中傷を行ったこと。
  • 朝倉未来の対応: JTT代表として「堪忍袋の緒が切れた」と激怒。法的措置(侮辱罪)を示唆し、当該チャンネルにJTT関連の話題を一切禁じる「絶縁宣言」を行った。
  • 加害者の人物像: シン氏は元プロキックボクサー「JOKER」で、日本国籍の帰国子女(アメリカ育ち)とされる。弟のナオト氏とチャンネルを共同運営。
  • 騒動の背景: 当該チャンネルは、以前から人気選手(朝倉未来、井上尚弥など)を批判的に扱うことで再生数を稼ぐ傾向(炎上商法)があり、朝倉選手も強い不快感を抱いていた。
  • 謝罪動画の炎上: シン氏が公開した謝罪動画は、「切り取りが悪い」「真意はヒールキャラ批判」といった言い訳と責任転嫁に終始。「謝罪風」だとして、さらなる批判を浴びる結果となった。
  • 法的措置の行方: もし朝倉選手側が法的措置に踏み切った場合、2022年に厳罰化された「侮辱罪」が適用されるかどうかの試金石となる可能性がある。民事でも、慰謝料請求が認められる可能性は高い。
  • 今後の展望: 平本蓮選手ら現役選手ともコラボしていたシン氏の、格闘技業界内での信用は完全に失墜したと見られます。今回の事件は、格闘技を扱う全てのメディアに対し、選手へのリスペクトと発言の重みを再認識させる、重い教訓となりました。

何よりもまず、試合を直前に控えた伊澤星花選手のメンタルが回復し、11月3日のタイトルマッチで、彼女本来の素晴らしいパフォーマンスが発揮されることを、多くのファンが願っています。

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